この人となら、問題も乗り越えられると思える人を選ぶ―ゴットマン博士の研究から考える、幸せな結婚

「価値観が合う人と結婚したいんです」
未来の結婚を夢見る方から、私はよくこの言葉を聞きます。

「優しい人がいい」
「話が合う人がいい」
「一緒にいて楽しい人がいい」
「喧嘩しない人がいい」

うんうん…もちろん、どれも大切ですよね。
私もそう思っていた時期がありますから。

でも、結婚10年を経た自身の経験もあり、また、関係が良好な夫婦も不仲な夫婦も見ている私は、もう一つ考えてほしいことがあります。

「この人となら、問題が起きても一緒に乗り越えていける」と思えるか。

実は、夫婦関係について長年研究してきた心理学者、ジョン・ゴットマン博士の研究には、婚活中の私たちにとても大切なヒントがあります。

「結婚すれば、問題はなくなる」は本当?

ゴットマン博士の長年にわたる夫婦研究では、夫婦が抱える問題の約69%が、何度話し合っても完全には解決しない「永続的な問題(Perpetual Problems)」であることが示されています。

これは、夫婦のどちらかが悪いという話ではありません。

性格の違い。
育ってきた環境の違い。
お金に対する考え方。
仕事への向き合い方。
家族との距離感。
休日の過ごし方。
人との付き合い方。

こうした、二人それぞれの「その人らしさ」から生まれる違いは、結婚したからといって、魔法のようになくなるものではないのです。

むしろ、ゴットマン研究所では、こうした問題について「解決する」のではなく、どう付き合い、どう対話していくかが重要だと説明しています。

これを知ったとき、私は思いました。

「だったら、婚活で探すべき相手って、少し違うんじゃない?」

「問題のない人」を探していませんか?

相手を見る時に

「こんな人は嫌」
「こういう男性は無理」
「価値観が合わないから、次」
と、相手を減点してしまう人がいます。

もちろん、絶対に譲れない条件はあります。
結婚生活において、安心や安全を脅かすようなことは、我慢する必要なんてありませんからね☆

でも、
「ちょっと考え方が違う」
「私はこうしたいけど、相手はこうしたい」
という程度の違いまで、「価値観が合わないから、この人じゃない」と切り捨ててしまったら、どうなるでしょう。

どんな相手と結婚しても、ある程度の「合わない」は存在します。

つまり、
「問題のない人」を探す婚活には、そもそもゴールがない。

私はそう思います。

ちなみに私たち夫婦は、性格も好きなものも全く違うし、気が強い者同士なので意見ははっきりと言い合います。
でも、自他ともに認める仲良しです。

それはなぜか???

大切なのは「問題があるか」ではなく、「問題が起きたときにどう向き合うか」

例えば、あなたは予定をきっちり立てたい人。
でも、相手はその日の気分で動きたい人だったとします。

あなたは、「どうして予定を立ててくれないの?」と思うかもしれない。
相手は、「そんなに細かく決めなくてもいいじゃん」と思うかもしれない。

どちらが正しいのでしょうか。

……たぶん、どちらも間違っていません。

ただ、違うのです。

ここで、
「あなたはいつも適当!」
「あなたは細かすぎる!」
と相手を責めるのか。

それとも、
「私は予定が見えていると安心するんだよね」
「僕は自由に動ける方が楽なんだ」
と、お互いの真意をするのか。

この違いは、とても大きいです。

ゴットマン研究所も、解決できない問題について重要なのは、問題そのものを消すことではなく、二人の間に対話を成立させることだとしています。
対話ができなくなり、問題が行き詰まることが、関係を苦しくしていきます。

だから私は、
「価値観が同じ人を探そうね」ではなく、
「価値観が違ったときに、話し合える人を探してね」と伝えたいのです。

「この人となら、問題も乗り越えられる」と思える人

では、婚活では何を見ればいいのでしょう。
私が会員様に伝えているコツを、ここでは共有いたします。

1.自分と違う意見を聞ける人か

「それは違うよ」とすぐ否定する人なのか。
それとも、
「そう考えるんだね」
と、一度受け止められる人なのか。

意見が一致することより、意見が違ったときの反応を見てほしい。

2.自分の非を認められる人か

「ごめん」が言えるか。
「確かに、それは僕が悪かった」と言えるか。

自分の正しさを守ることに必死な人と暮らすのは、想像以上に苦しいものです。

完璧な人を探す必要はありません。
間違えたときに、戻ってこられる人。
私は、そちらの方がずっと大切だと思っています。

3.話し合いから逃げない人か

問題が起きたときに、
無視する。
怒鳴る。
話をそらす。
ちゃかす。
「もういい」と終わらせる。

逆に、
「じゃあどうしたらいいと思う?」と、一緒に考えようとしてくれる。

どちらとなら、10年後、20年後も一緒にいられるでしょうか。

ちなみに、無視する、怒鳴るなど、威圧的な人に対しては「この人、ヤバい…」と気付きやすいですが、ちゃかすという行為は、一見笑ったりヘラヘラしているので、気付きにくいですので、よ~く注意して見てみてくださいね。

4.相手を変えようとしすぎない人か

「結婚したら変わってくれるはず」
これは、人間関係において危険な考え方です。

もちろん、人は成長します。
夫婦になって変わっていくこともあります。

でも、
「この人が変わること」を前提に結婚するのは、私はおすすめしません。

今のその人を見て、「ここは違うな」と思う部分がある。
それでも、「それもこの人らしさだよね」と受け止められるのか。

そして相手も、「あなたはあなたでいい」と思ってくれるのか。

そこを見てほしい。

結婚相手を選ぶということは、「幸せ」だけを選ぶことじゃない

もう一つ考えてみてほしいのが、
「この人と一緒にいる私を好きになれるのか?」
です。

仕事で大変な時期が来るかもしれない。
親の介護が必要になるかもしれない。
子どものことで悩む日が来るかもしれない。
お金のことで意見がぶつかるかもしれない。
どちらかが病気になるかもしれない。
夢を追いかけるために、生活を変える必要が出てくるかもしれない。

人生って、たぶんそんなに平坦じゃない。
だからこそ、
「この人なら、問題が起きても一緒に考えられる」と思える人を選んでほしい。

そして、「そんな問題も乗り越える自分のことが好きでいられる」。
これが結婚して10年20年経っても幸せが続く、大事なポイントだと思います。

私が婚活で一緒に考えたいこと

私は、いつも「あなたは、どんな人生を生きたいの?」から一緒に考えます。

その人生を一緒に歩く相手は、どんな人なのか。
どんな人となら、自分らしくいられるのか。
どんな人となら、意見が違っても話し合えるのか。
どんな人となら、人生で起きる問題を「二人の問題」として考えられるのか。

そして、
「この人といる私は、自分のことを好きでいられる?」
そこまで一緒に考えてほしいと思っています。

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参考・出典

John Gottman / The Gottman Institute
「Marriage and Couples – Research」
「Managing Conflict: Solvable vs. Perpetual Problems」
「The Gottman Method」

※本記事では、ゴットマン博士らの長年にわたる夫婦研究で示された「夫婦間の葛藤の約69%が永続的な問題である」という知見を紹介しています。これは「69%の夫婦が不幸になる」という意味ではありません。また、すべての夫婦問題が同じ性質を持つという意味でもありません。研究上の「永続的な問題」とは、主に性格や生活上の根本的な違いに由来し、完全な解決よりも、対話しながら付き合っていくことが重要になる問題を指します。

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