おはようございます。
最近読んだ本で、〈叱る依存〉がとまらない という本があります。2年以上前に発売されていたのですが、本の説明には
叱らずにいられないのにはわけがある。
「叱る」には依存性があり、エスカレートしていく――その理由は、脳の「報酬系回路」にあった!
児童虐待、体罰、DV、パワハラ、理不尽な校則、加熱するバッシング報道……。
人は「叱りたい」欲求とどう向き合えばいいのか?
●きつく叱られた経験がないと打たれ弱くなる
●理不尽を我慢することで忍耐強くなる
●苦しまないと、人は成長しない……そう思っている人は要注意。
「叱る」には効果がないってホント?
子ども、生徒、部下など、誰かを育てる立場にいる人は必読!
つい叱っては反省し、でもまた叱ってしまうと悩む、あなたへの処方箋。 (Amazonより引用)
とあり、育児本として良いかなぁと思い手に取ったのですが、読み始めてすぐに「あ、これは夫婦をダメにするやつだ!」と気付き、夫婦に置き換えて読み進めていたら、心から納得できることがたくさん書かれていたので、ここで解説したいと思います。
人間の感情とは
人間の想いや感情の種類は様々です。
例えば、安心、感謝、愛情、好奇心、幸福、リラックス、意欲、尊敬、親近感、憧れ、満足、期待、優越感、感動、希望など、ポジティブな表現として出るもの。
また、不安、焦り、困惑、緊張、恐怖、後悔、不満、無念、怒り、嫌悪、恥、軽蔑、嫉妬、罪悪感、劣等感、恨み、苦しみ、悲しみ、切なさ、悩み、絶望、虚しさなど、ネガティブな表現として出るもの。
そして、これらを分類してみると、
心理学理論「交流分析」では、「喜び」「怒り」「悲しみ」「不安」の4つに、
東洋的五行学説では、「喜び」「怒り」「悲しみ」「思い」「恐れ」の5つに分けられるといわれています。
特に「怒り」は第二感情と呼ばれていて、別の感情が隠れているものです。
夫婦における「怒り」は、たいてい自分の思惑と相手の反応がズレた時に、困惑や不満、恨みや絶望などが根底にあって出てくる感情で、この感情のなれの果てが夫婦喧嘩となり、いずれ夫婦不仲に繋がります。
怒りを感じること自体は悪いことではなく、それを溜め込むこと、また違った表現で相手に伝えることが喧嘩の原因になったりするので、自分の怒りの感情が出たらそれをまず素直に捉えることが、実は夫婦においては重要だったりします。
(寂しさを怒りで表現してしまう、とか、願望が叶わないから怒りでしか伝えることができない、など違った表現が喧嘩に繋がるという意味です)
叱ると怒る
「叱る」とは:
言葉を用いてネガティブな感情体験(恐怖、不安、苦痛、悲しみなど)を与えることで、相手の行動や認識の変化を引き起こし、思うようにコントロールしようとすること とあります。
「怒る」とは:
不満・不快なことがあって、我慢できない気持ちを表す。腹を立てる。
よくない言動を強くとがめる とあります。
10年くらい前だったかなぁ…ビジネス研修の中で「怒るはダメだけど、叱るはOK」と言われたことがあり、叱ることは相手のことを想っている行為の表れだからOKなんだ!と認識した記憶があります。
ですが、上記の説明を見ると、怒るも叱るも結局相手にはネガティブな感情が芽生えちゃうという意味で、その行為から得られる体験としては大差ないなぁと今気付きました!!
つまり、相手のことを想って私は叱っているんだから、これは良い行為なんだ!と自分の行動を肯定したとしても、相手にとっては叱ると怒るの違いなんて分からない、ということです。
また、アンガーマネジメントという、上手に怒りと付き合うための心理トレーニングも生まれていますので、やはり怒ること、叱ることを自分自身でコントロールするのは、私達人間にとっては永遠の課題なのかもしれないですね。
夫婦のタブー
以前のコラムで「【夫婦リスキリング】人生100年時代の夫婦のあり方として覚えておくべき唯一のこと」というのを書きました。
夫婦において絶対にやってはいけないこと、それは 相手の欠点を指摘すること という内容です。
人間は、長所で尊敬され、短所で愛される生き物、という考え方があります。
愛情や感謝の言葉は言えても、短所(欠点)を見ないようにするという行為は実はすごく難しいもの。
それでも、「家族はずっと一緒に生活をするのだから、相手に直してもらいたいことは伝えないと分かってもらえない」と考え、ついつい欠点にばかり目がいってしまって、注意をしてしまう。
注意をしても直してくれないから、また注意をする。
そのエンドレスループにハマり、どんどん険悪になってしまう。
特に夫婦や親子になると欠点の指摘し合いが非常に目立つため、イライラやストレスが生まれやすくなります。
ただし、叱るという行為自体に 効果は全くない そうです。
そして、効果がないわりに副作用としての弊害も大きく、叱られたとき(=ネガティブ感情が生まれたとき)、人は防御システムが活性化され、戦う、または逃げるかの反応が起きるそうです。
そのため、相手の意識は話の内容に向かず、こちらのメッセージは届かないんだとか。
つまり、叱る意味ゼロ なのです。むしろ、不仲が助長されるだけ。だから、夫婦にとっては特にタブーなんですね。
叱る依存から逃れるための秘策
この本には、「叱る」を手放していくための具体的な方法がたくさん書かれています。
どれも、ナルホド!と思う反面、個人的には「それが出来るなら苦労しないよな…」と思うことも多かったです。
感情に任せて、子どもやパートナーの改善を促そうと、ネガティブな表現を吐いてしまう人にとって、それを抑えるためのあれこれは、結構苦痛かもしれません。
ですから、私はあえて、夫婦における叱る依存からの脱却策はこれしかないと思います。
叱った先には不仲しかない!不仲ポイント1Pを足していく
感情をコントロールすることは、訓練が必要です。
訓練をしてもしても、やっぱり感情は人間の生理反応ですから、絶対に出てしまう。
でも、その次の行為が良くないことだと分かっていれば、その行為は止められるようになる。
犯罪は悪いことだと分かっているから、多くの人にとって法律が抑止力になっている、ということと同じ。
ですから、
叱る行為にポジティブな要素はゼロだから、叱ってしまったら不仲に近づいているだけ!自分のやっていることは100%夫婦関係にとって良くないことだ!と認識することによって、少しずつ自分の行為にストップをかけるのです。
多くの夫婦で、叱る、怒る、ハラスメントやDVまがいのことが起きている夫婦の特徴は
自分は正しいことをしている、と正当化している ことにあります。自分の行為を正当化しているうちは、どんなテクニックを学んでも、感情コントロールはできないし、叱ること、怒ることをやめません。だって、自分は正しいことをしていると思い込んでいるのだから。
でも、叱った先には不仲しかありません!!!
叱る行為は不仲へまっしぐら、どんどんポイント加算!これを覚えていてくださいね。
まとめ
今後の人生、1人の人とずっと一生を共にし、仲良し夫婦であり続ける方法は、叱る行為をゼロにすること。
人間にとって良いことはありません。
本の内容からだいぶ飛躍した、私なりの解釈ではありますが、人間のメカニズムを考えれば当然の解釈なのかな、と思います。
叱る行為から脱却が出来れば夫婦仲は安泰ですよ!!!
これから結婚する方に特に知っておいていただきたいのは、これまでの方法と同じやり方で結婚しても、3組に1組は離婚をし、3組に1組は不仲で悩み、うまくいっている夫婦はほんの一握りという今の時代は乗り越えられません。
これから結婚をする方には、せっかく出逢えたお相手と永遠にラブラブし続けられるように、本当にうまくいく結婚生活の方法を伝え続けていきます。
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ここまでお読みいただきありがとうございました。
主宰 武嶋愛
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