おはようございます。
今日は、昨日のコラムの続編です。
タイトルから意表を突いているので、読んでいただいた人からの反響がすでにありました。
「ドキッとして恐る恐る読んでみたけど、うちは大丈夫だと思う。でも、続きが気になる!」という連絡もいただいているので、今日は回避策を書きたいと思います。
昨日の振り返り
ハーバード大学の名誉教授で、ジョン・ゴットマンという心理学者が居ます。
ゴットマン博士は「夫婦関係や結婚生活の安定性」に関する研究をしていて、その研究結果で様々な賞も獲っており、著書もたくさん出されています。
日本では出ていないようなので知らない人がほとんどかと思いますが、その内容は私たち日本人にも当てはまる内容ばかりで、家族や夫婦を人生のテーマにしている私にとっては師の一人でもあります。
その彼の研究結果を読んでいて、私のクライアントさん達にも同じような現象が多く起きていることがありました。
それが
離婚した夫婦、または修復困難な夫婦の81%に共通している”ある危険なサイン”
です。

これまでたくさんの夫婦と関わりを持つ中で、夫婦仲の仲裁に入ることも多かったですが、
💖喧嘩もたくさんしつつ、なんだかんだお互いに一緒に居ることを選んでいて、離婚や別居は視野に入れていない
という夫婦と
💔少しずつ亀裂が大きくなり、すでに修復不可能な状態までお互いの心が離れており、ひそかに離婚準備を進めている
という夫婦の両方を見てきました。
その中で、両者には大きな違いがあって、その後を見るとある統計が見えてきたのです。
そんなお話です。
※ちなみに、ゴットマン博士は「異性の夫婦」以外に「同性の夫婦」も研究対象としており、様々な結果が出ておりますが、私のクライアントさんは現状全て「異性の夫婦」のみとなりますので、今回は男:夫、女:妻として、書かせていただいております。
離婚する夫婦の81%に共通する、ある「危険なサイン」とは?
夫婦の関係において、妻がこんな風に感じているとしたら…
「いつもは優しいんだけど、ここっていう大事な時、私に何も相談してくれてないんだよね」
とか
「私の意見を聞いてくるフリをして、結局全部否定してくる」
とか
「話し合いはするんだけど、私が何言っても、結局いつも言いくるめられてるか、スルーされちゃうんだよね」
とか。
もしこんな感覚に陥ることがあるのなら、これはすでに危険な状態かもしれません。
ゴットマン博士の調査では、夫婦の会話パターンなどを詳細に分析することで、驚くほど高い精度で、その夫婦が将来離婚するのかどうかを予測できることを見出したそうです。
その中でも特に重要なのが
夫が妻の影響を受け入れるかどうか
というポイントでした。
影響を受け入れるとは、
妻の意見・提案・心情を夫が真摯に受け止めている
ということと
それを夫婦の意思決定プロセスにしっかりと反映させる
ということまでを示しています。
つまり、先ほどの妻側の感覚でいうと
「いつもは優しいんだけど、ここっていう大事な時、私に何も相談してくれてないんだよね」
→優しい夫ではあるが、妻の意見や提案を重要視していない
「私の意見を聞いてくるフリをして、結局全部否定してくる」
→妻よりも自分を優先している(男を上位に捉えている)
「話し合いはするんだけど、私が何言っても、結局いつも言いくるめられてるか、スルーされちゃうんだよね」
→妻の意見・提案・心情を夫が真摯に受け止めていない為、夫婦の意思決定プロセスに反映していない
という状況が起きており、これは
夫が妻の影響を受け入れていない
という危険なサインなんです。
サインが出ている夫婦に起きている事
こういう状態が恒常化している時の夫婦には、たいてい妻の我慢や忍耐がセットで存在します。
私の意見なんてどうでもいいんだな
私が何か言うとあの人は怒りを露わにしてくる
私さえ我慢すれば、あの人は機嫌が良いのだから
と、徐々に自分の意見・提案・心情を押し殺し、家の中では静かに、そして冷ややかに夫を見るようになっているでしょう。
夫からすると
妻は自分の意見に従ってくれる
自分さえしっかりしていればこの家は大丈夫
と妻の我慢や忍耐に気付かず、さらに自分を重んじ、妻を軽んじていきます。
この夫婦の行く末は…
81%が離婚する、となるのも当然なのかもしれません。
残りの19%は、妻の我慢や忍耐の上に成り立ち、信頼関係や共感・寄り添いが皆無の、形だけの夫婦を続けることになるでしょう。
妻の意見を普段から受け入れていない夫の行動あるある
こういうことは、すごく些細なことから、とても大きな夫婦の決断まで、日常的に存在します。
そして、無意識に妻の意見や提案を否定したり、恒常的に心情に寄り添えない夫もいて、そんな妻側からの相談もたくさん受けてきましたので、その一例をご紹介します。
ダメージ★☆☆☆☆:今日の晩御飯
妻「今日の晩御飯、どうする?冷蔵庫に何も無いんだけど」
夫「簡単なものでいいよ。そうめんとか」
妻「そうめんも、ネギも、家にはないよ。外に食べに行かない?」
夫「今日はもう外でたくないよ。何か買いに行ってきてさ、簡単なものでいいからなんか作ってよ」
妻の本音は、買い物もしてない、作り置きもしてないから、ラクに済ませたい。
でも夫は、妻が作ることを当たり前に考え、買い物に行き、作ることを無意識に強要しています。
ダメージ★★★☆☆:週末の予定
妻「今週末さ、息子のサッカーの試合があるでしょ。今週はうちが付き添い親だから、あなたも一緒によろしくね」
夫「え??今週末は友達と釣りに行く約束しちゃったよ」
妻「なんで?釣り?今回はうちが他の子ども達の付き添いで帯同するからあなたにもお願いねってもう何度も伝えてあるじゃない」
夫「でも誘われたんだから仕方ないじゃん。今回は君だけ行ってよ」
妻「今回は、って、いつも私しか行ってないじゃない」
家事だけでなく、子どもを育てるのもまるで妻だけの役割と言わんばかりの夫。
実際、週末の子どもの行事に夫不在の家族をよく見かけます…💦
ダメージ★★★★★:転居を伴う転勤
夫「あ、そうだ。4月から転勤で※※に赴任することになったから、3月末に引っ越す。家、探しておいて!」
妻「え?? え???? ちょっと、引越しって?子ども達の学校はどうするの?私も仕事あるのに、辞めろっていうこと?」
夫「子ども達は転校させればいいし、君の仕事も辞めるしかないだろ。俺の仕事は転勤がつきものなんだから、それくらい理解してただろ」
妻「転勤があるってのは聞いてたけど、あなたが転勤するなんて、もっと早く言われてたんでしょ。なんでもっと教えてくれなかったの?」
夫「早く伝えたって今伝えたって同じことだろ。行くことに変わりは無いんだから」
これ、知人の実話です。
夫の言い分も分かりますが、実際の引越しまで残り2ヶ月しかないという状況でのこの会話。
妻の本音としては、夫の仕事を応援したいけれど、子どもも私も人権を認めてもらえていない気がする、と言っていました。
この夫婦はその数年後に離婚しました…
サインが出ている時に妻はどうすれば良いのか?
このように、夫に普段から自分の意見・提案・心情を受け入れてもらえていないと感じている妻は、何をすればよいでしょうか??
全部を挙げてみたらおそらく数十個は出そうな気がしますが、優先順位が高くて効果の高いものは
会話のあり方を変えてみる
夫の意識を改善する働きかけをする
専門家に相談する
です。
ここからは詳細に方法をお伝えしていこうと思います。
回避策① 会話を工夫しよう
先ほどのあるある例で見てみましょう。
黒字がダメな例
→青字が改善例になっています。
例1
妻「今日の晩御飯、どうする?冷蔵庫に何も無いんだけど」
→ 妻「今日の晩御飯、買い置きも無くて作る気も起きないから、外食かデリバリーしたい!」
Point
①質問して夫に判断を委ねるのではなく、妻の希望を具体的に挙げる。
②最終的な決断のみ夫にしてもらう。
③何も無いんだけど、と責めるような言い方ではなく、したい!と希望を明るく伝える。
例2
妻「今週末さ、息子のサッカーの試合があるでしょ。今週はうちが付き添い親だから、あなたも一緒によろしくね」
→ 妻「今週末の息子のサッカー、あなたが見に来てくれるって楽しみにしてたわよ。一緒に行こうね!」
Point
①お願い形式ではなく、自発的に行きたいと思えるような誘い方をする。
②息子の感情も一緒に伝える。
③過去に何度も伝えていることはこの場では触れない。
例3
妻「え?? え???? ちょっと、引越しって?子ども達の学校はどうするの?私も仕事あるのに、辞めろっていうこと?」
→ 妻「転勤と引越しかぁ。はい。・・・ちょっと聞いて良い?」
Point
①質問攻めをしないで、一旦は受け止める。
②間を空ける。
③質問をする前に、穏やかに話始める。
解説
普段から妻の意見を受け入れていない夫には、いくつもの思い込みや心理が存在しています。
ですので、その思い込みや心理の上を行く話し方を覚え、夫の満足度を上げる会話をすれば良いのです。
最終決断は夫に!
でも希望を穏やかに伝える!
夫の言葉をまずは聞く!
ゆっくりと会話をする!
是非これを心がけて、会話をしてみてください。
回避策② 夫の意識改革を試みよう
次に、夫の意識改革を試みよう、とありますが、これは「相手を変えること」ではなく、「妻からの働きかけが変わると、夫も向き合い方が変わること」を意味します。
決して、相手を変えてやろう!!と思わないように。
さて、この回避策は、コラムで何度も出てくる自尊心を理解することにあります。
自尊心を知らずに結婚するなんて、免許を取らずに車を運転するようなもの!平和な家族を作る基礎知識3つ
全ては↑このコラムに書いておりますが、改めて。
夫を徹底的に理解し、夫のタイプに適した向き合い方をすることによって、夫の満足度が上がると、夫との関係性が向上するということ。
これが良好な人間関係を築く鉄則です。
ちなみに、世の中には色々なタイプ分けの方法がありますが、ここでは私が学んでいる心理学から6タイプに分けてみますので、相手がどんな人なのか、一番近いタイプの箇所を読んでみてください。
①事実やデータを論理的に考えるタイプ
目の前に起きている事実や、積み上げてきた実績、など定量的な数値を論理的に考え、重視する人は、曖昧を嫌い、感覚よりも理屈を好みます。
こういうタイプには、
・事実を伝える
・実績や成果を褒める
・論理的で建設的な話し合いをする
・感情は一定で話す
ことがおススメです。
②自分の主義や価値観、大義を重んじるタイプ
事実よりも自分の主義・主張に素直に行動をし、「~あるべき」という自分なりの大義名分が行動の根底にある人は、成果よりも過程やその姿勢を評価されることを好みます。
こういうタイプには、
・姿勢や生き方を認める
・尊敬している箇所を褒める
・時には熱く、時には冷静に話す
・相手の主張を最後まで聴く
ことがおススメです。
③人の考えや心情に寄り添うタイプ
事実や自分の信条よりも、周りの人の考えや心情を重んじることができ、人の喜ぶ顔や感謝の言葉が最高のエネルギーになる人は、無条件で存在価値を評価されることを好みます。
こういうタイプには、
・居てくれるだけで感謝する
・努力を褒める
・優しい口調で穏やかに話し合いをする
・こまめに感謝の言葉(ありがとう、~のおかげで)を伝える
ことがおススメです。
④自分の頭の中や心の中に独特の世界観を拡げるタイプ
口数が少なく、会話の中に間があり、物静かではあるけれど、いつも何かを考えていたり、自分の中に独特な世界を持つ人は、パーソナルスペースを広く持ち、一人時間を持つことを好みます。
こういうタイプには、
・定期的に一人の時間を持たせてあげる
・相手の引き出しの多さに興味を寄せる
・話をしてくるまで待ち、強制をしない
・家族といえど距離感は保つ
ことがおススメです。
⑤面白さやワクワクを重視するタイプ
事実や価値観よりも、「面白いかどうか」や「ワクワクできるか」が何かを決める際は重要で、いつも楽しいことを探したい人は、自由な発想を尊重され、縛られない生き方を好みます。
こういうタイプには、
・楽しいこと、ワクワクする時間を作る
・一緒に楽しむ
・真剣な話し合いより、和気藹々な空気感を作る
・自由を制限しない
ことがおススメです。
⑥行動あるのみ!道を切り開き、背中で自分を語るタイプ
考えているうちにすぐに行動し、何に対しても果敢に挑戦したり、常に目標や夢を持って行動し続ける人は、理屈や長い説明を嫌い、効率的で能動的な行動を好みます。
こういうタイプには、
・夢や目標を共有する
・健康第一、行動できる土台作り
・自由闊達で積極的な会話をひろげる
・結論から伝え、簡潔に話す
ことがおススメです。
タイプに分けてみると、これとこれ、どっちだろ?と迷うことがありますが、その場合はどちらのタイプも試してみてください。
人間をタイプ分けする場合、完全に1つだけということは無く、どの要素も少しずつ入っていると考える方が健全です。
(色々な影響を受けて、一人の人間が出来上がっているからです)
このように、会話を工夫したり、相手を理解しようと努めることが、夫の自尊心を高め、夫の意識改革をすることに繋がります。
実際にこのテクニックを使って、私の周りの人たちは夫婦仲を改善していますし、私自身も結婚8年、いまだに超仲良しです。
回避策③ 専門家に相談しよう
ここまでやってもダメな場合は、やっぱり専門家に頼りましょう。
1人でやっていてもお先真っ暗で孤独感を抱きやすくなりますからね。
ちなみに私達も専門家ですので、すぐにでも改善したい!!という方は是非以下のリンクからご連絡くださいね。

これを読んでくださっている、お悩みを抱えた人が、少しでも夫婦仲が改善できることを祈っています。
ということで、今日も長文をお読みいただき、ありがとうございました。
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